LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「円さんとは何もないとかそんな白々しい事じゃないよ。
円さんとは肉体的な関係もあれば、好意も昔はあった」


「昔…」


それは、今は円さんの事は好きではないという事なのだろうか?


一体、斗希は何を言いたいのだろうか?



「俺が中学二年の頃。
円さんは、高校三年生で。
もうあれから18年経つのか…」


斗希は私の顔を見ているけど、その事を思い出しているのか、その目は何処か遠くを見ているように感じた。



「昔、俺は円さんを犯した」


その言葉に、息が止まる程驚いた。



「そこから、それをネタに円さんの事を脅していて、関係を持ってる。
それが、最近迄ずるずると続いてて。
俺もその辞め時が分からなくて、困ってて。
だから、結衣にそのきっかけを作って貰えて、感謝したいくらい」



"ーーもう、この円さんと会わないで。
なら、私は何もしないからーー"


そう言って、私は斗希と円さんが二度会わないようにした。


そうしないと、円さんに慰謝料を請求すると。


「川邊専務に対しての贖罪って、
そのお姉さんである円さんの事を…」


その私の言葉に、斗希は頷きはしないけど、否定もしない。


そうであるから、今、斗希はその円さんとの事も話したのだろう。



「俺は、篤の言うように、凄い変な奴なのかも」


斗希はそう言うと、自分の過去を私に話してくれた。

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