LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「―――斗希、これがなんなんだ?
お前もこれを見たなら、分かるだろ?
特に何も問題なんてない。

ここに書いてあるように、俺とお前は紛れもない親子だ」


父親は冷静さを取り戻し、そう言うけど。


母親は、その言葉でその封筒が何かに気付き、
それを手に取り、必死に中の鑑定書を取り出して確認している。


やはり、母親も俺が父親の子供だと思っていなかったのか?


手に取ったその紙を見る目が、驚いている。


俺の父親は、資産家の家に次男として生まれ、有名な大学を出て大企業に就職し、出世して。


こうやって、俺達家族がいい暮らしを出来るのは、この男のおかげで。


けど、こいつだって、母親以上に浮気や不倫をしていて。


その数多居るこいつの浮気相手の中には、篤の母親も居る。


「斗希君、お父さんによろしくね」


いつか篤の母親に言われた、その言葉。


顔に張り付いた、意味深な笑み。


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