LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
私はかける言葉が分からなくて、
そっと斗希を抱き締めた。


言葉は見付からないけど、私はこの人の味方なのだと、行動で伝える。



「結衣…」


斗希も、私を抱き締め返してくれる。



その時、斗希のスーツのポケットから、
着信音のような音が聞こえた。



斗希は私から身を離して、ポケットからスマホを手に取る。



「篤…」


その音は、川邊専務からの電話のようで。


斗希は覚悟を決めるように、その電話に出た。


もしかしたら、川邊専務も今回の円さんと斗希の関係を、知ったのだろうか?


でなければ、こんな時間に電話なんて…。


「え、今近く迄来てるって…。

え、あ、うん。
結衣も居る」


そう言って、私を見る斗希。


その目に、私も戸惑いを返す。




「あ、うん。分かった。
下に着いたら、チャイム押して」


そう言って、斗希は電話を切った。



「川邊専務、今から来るの?」


斗希の言葉から、そう読み取った。



「うん…。
円さんの事かと思ったけど、違うかもしれない」


「なら、なんで?」


こんな時間にわざわざ訪ねて来るなんて…。



「結衣が居るかどうかも訊かれて。
その上、来るのは篤だけじゃなくて、
篤の嫁の梢ちゃんも一緒って」


その言葉に、心臓が嫌な音を立てている。


胃が気持ち悪くて。


きっと、私と川邊専務の事を、
川邊専務の奥さんの梢さんに知られたのだろう…。


川邊専務本人が、打ち明けるとは思えない。



一体、どうして?



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