LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
親に挨拶
それは、私がベリトイを退職して暫くした頃。


仕事を終え帰宅した斗希から、
話があると先程言われており。


私がリビングのソファーに座っていると、
風呂を終えた斗希が私の横に腰を下ろした。


そして、いつものようにICレコーダーを目の前のテーブルに置かれる。


もう慣れたけど、録音するのか、といつも思う。



「今日は、転院についての話し合い」


「え?」


転院って…。

多分、私の事だよね?


現在、以前勤めていた会社の近くのレディースクリニックに、初診からずっとお世話になっている。


「あの病院に、何か不満でも?」


そう問うと、言うより見る方が早いかと言わんばかりに、
斗希は自分のスマホの画面を見せて来る。


これは、大学病院のサイト?


「やっぱり、何かあった時に、大きな総合病院の方がいいと思って」


「それは…」


それは、そうかもしれないけど。

でも、そんな事って滅多にないと思うけど。

多分、何かあったら、近くの大きな病院に搬送してくれるだろうし。


「今、結衣の通っている病院は、篤の奥さんの梢ちゃんも毎回そこで出産してるし、それなりには信頼してるけど。
けど、やっぱりそれって他人の事だから。
そこまで真剣に考えてなくて。
俺にとって結衣は大事な人だから、真剣に考えたら、って」


そう真剣に訴えて来る斗希を見ていると、
転院はしないとは言えない。


幸い、まだ分娩予約は取っていないし。

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