LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
結婚しましょう
その日の夕方。


東京駅の近くの喫茶店で、私と川邊専務と、滝沢斗希の三人で会う事となった。


今、私と川邊専務は二人、その喫茶店で向かい合い座っているが、
交わす言葉はなく、夕べ二人で飲みに行った時のような雰囲気は一切皆無。


目すら、私達は合わせなくて。


そんな私と川邊専務のテーブルに、
滝沢斗希は暫くして現れた。


「篤、なに?相談したい事って?
仕事と仕事の間縫って来てるから、一時間くらいしか時間取れないけど」


「いいから、座れ」


川邊専務のその言葉で、滝沢斗希はこの場の空気の重さを感じ取ったのか、
表情を固くした。


川邊専務の横へと腰を下ろした。


あの話し合いの時と同じように、
近くにいたウェイターにコーヒーを頼んでいる。


私と川邊専務の前にも、コーヒーが置かれているが、
お互い手はつけず、冷たくなっている。


何処か敵意を含んだ眼差しを、滝沢斗希は私へと向けて来る。


相変わらず、綺麗な顔をしていて、
スーツの襟元の金色の弁護士バッチが忌々しく見える。


滝沢斗希の頼んだコーヒーは、すぐに運ばれて来た。


そして、私と川邊専務とは違い、滝沢斗希はそれに口を付けている。


一口それを口に含むと、滝沢斗希は持っていたコーヒーカップをテーブルに置いた。


「話って、何?」


そう、切り出して来た。

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