LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「昔な。
まだ10代の頃なんだが。
ちょっと関係持った女がジャンキーで。
興味心から、一度だけ俺もクスリやった。
あの頭の中がぶっ飛んだ感じ。
キメてその女とヤッた時と一緒だった」


その言葉に、川邊専務は、私のした事を気付いているのだと、体が震えて来る。


足が、ガクガクとしていて、立っている事がやっとで。


「そっから、何年か経って仲間で飲んでる時、その女の噂聞いたんだ。
結婚したのか、子供産んだって。
ただな、その女の子供、生まれた時から手の指が何本か少なかったらしい。
昔、クスリやったからか…。
もしかしたら、妊娠中もまだクスリやってたのかもしんねぇし。
そのクスリが関係あんのかないのかも分かんねぇけど。
もし、まだお前の手元にそのクスリがあんなら、絶対にお前はそれを口にすんな」



この人、本当に馬鹿なんじゃないか、と思った。


そこまで分かっていて、私の心配するなんて。


馬鹿な程、お人好しで。



「今の話、斗希には黙ってて貰っていいか?
あいつにクスリやってんの知られたら、またうっせぇし」


そう言う感じ、今回のその私が薬を盛った事に気付いてる事も、川邊専務は滝沢斗希には話していないのだろうな。


< 61 / 288 >

この作品をシェア

pagetop