LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「離してください」


そんな私の言葉を遮るように、眞山社長も立ち上がり、
私を抱き締めて来る。


眞山社長に強く抱き締められ、それが苦しくて抵抗してしまう。


「俺は、結衣が一番好きだから。
誰よりも、結衣が一番大切なのに…。
帰したくない」


その言葉に、私の体から抵抗する力が抜ける。


一番好き…。


その言葉の魔力。


騙されないと思っているのに、その魔力に惑わされてしまう。


幼い頃から、母親に愛されずに兄と愛情に差をつけられて育った私は、

その、誰かにとって"一番好き"だという言葉がずっと欲しかった。


私が眞山社長を好きになったのは、
初めて、私にその言葉を言ってくれた人だったからかもしれない。


生まれて初めて、幸せだと感じた。


「結衣、愛してる」


重ねられる、その言葉。



"愛してる"



その言葉も、また私を惑わせる。


愛に飢えている私に、その言葉が染み込んで行く。


抵抗を辞めた私に、眞山社長は遠慮なくキスをして来る。


なんだか、もうどうでもよくなって来たのかもしれない。


眞山社長にまたこうやって遊ばれているのだとしても、どうでもいい。


斗希だって、浮気しているのだから、
私だって…。


なんで、斗希の事を考えてしまうのか。


空腹で飲んで急に立ち上がったからか、
酔いが回ったのを感じる。


眞山社長は私の唇を割り、舌を入れて来る。


それに、私も舌を絡ませた。


そのまま、すぐ近くにある大きなベッドへと、私は押し倒された。



「待って、シャワー浴びたい」


そう眞山社長の体を押すけど、


「ダメ」


そう言って、再びキスをされる。



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