8月25日(前編)
朝陽にこうして抱きしめられて気づく。

朝陽も、もう男なんだな、って。


華奢で細かった体なんてどこにもなくて…

ほどよい筋肉がついていて男というものを感じた。

と同時にドキドキと胸が高鳴る。


「やっぱり紗良って甘い匂いがする」

そう言うと離れた。


「…俺のこと好きになって?」

真っ直ぐ見つめてくる瞳からそらせないでいると、そのまま唇を重ねられた。


朝陽とのキスは、水樹くんとしたキスより長かったと思う。

こんなことされてしまったら、嫌でも朝陽を意識してしまう。


もう…幼馴染なんて言えないと思った。
< 159 / 530 >

この作品をシェア

pagetop