8月25日(前編)

別れ

次の日、久しぶりに遅刻をしてきた千波の姿は変わってしまっていた。

金髪に一段と濃い化粧…

出会った頃の千波の姿だ。


「千波…また染めたの?」

「うん」

と返事はくれるものの目が合うことはない。

「昨日、大丈夫だった?」

「……」

大丈夫なわけないよね。


千波はそのまま机に伏せると寝てしまったのか放課後まで起きることはなかった。

「紗良ちゃん、行こ?」

「え…」


終礼が終わると昨日と同じように水樹くんが声をかけてきた。
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