8月25日(前編)
次の日から、昼休みも水樹くんたちと時間を共にするようになった。

そして、常に水樹くんが話しかけてくれて、そばにいてくれた。


その水樹くんの行動の理由(わけ)に気づくのは案外にも早かった。

週明けになると千波は学校を休みがちになり、登校してきても遅刻の上に、わたしと口をきくことも減っていった。

水樹くんはこうなることがわかっていたんだと思う。


だから今は、あの時理解できなかった水樹くんの言葉が理解できる。


「紗良ちゃん、行こっか」

3月14日、今日はホワイトデー。

水樹くんと放課後デートだ。


校門を出ると笑顔で「どこ行きたい?」と尋ねられた。


行きたい場所はもう決めている。

「プリクラ撮りたい」
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