８月２５日（前編）

なんかドキッとした…ような？…


「んーあれはまだ引きずってるな〜」

と平野くんが振り向いてきた。

「引きずってる？」

「まだ夏目さんのこと好きだと思うよ？」

「……それはないよ」


うん、それはないない。

だって、いっとき口もきいてなかったというか…会うこともなかったんだよ？

てか避けられてた？ような…。


「そんなことってあるもんだよ？考えてみてよ。夏目さんに何年片想いしてたと思ってるの？そんな人があっさり諦めるなんて無理だよ、普通」

…っ…

返す言葉が見つからない。


朝陽はもう前を向いているとばかり思っていた。

だって朝陽が背中を押してくれたおかげで水樹くんと付き合うことができた。


だから、もう朝陽の気持ちはないと…。