【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 わたしは爽太さんともう長く一緒にいられない。だからこそ、この子だけは守っていきたい。
 わたしはこの子のために、出来ることならなんだってやる。そう決めたの……。

「……すまない」

「……え?」

「気付いてやれなくて、すまなかった」
 
 爽太さんはわたしに謝ってきた。
 そしてわたしを抱きしめると、何度も「ごめん」と謝ってきた。

「紅音が悩んでいることに気付いてやれなくて……。そんなに辛い思いをさせていたことに気付けなくて、ごめん」

「っ……爽太さん……」

 爽太さんの言葉や気持ちは、わたしの涙を更に誘った。

「……紅音。俺はお前に何もしてやれないのが悔しい」

「え……?」

「これからは、もっと俺を頼ってほしい」

 そう言われてわたしは「でも……」と言葉を返した。

「紅音が辛い時、そばにいれるのは俺だろ?守ってやれるのは、俺しかいないだろ?」

「っ……でも、赤ちゃんは……」

「……堕ろしてくれなんて、言える訳ないだろ?」

 てっきり堕ろしてくれと、言われると思っていた……。

「紅音の産みたいって気持ち、伝わったから」
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