【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


「紅音。俺はこの子を、大切に育てていきたい。……俺たちの大切な、子供だから」

「はい。わたしも母親として、この子を守り、育てていきます。……あなたが帰ってきた時に、寂しくならないように」

 この子を育てていくのは、わたしたちだから。子供が産まれて元気に育ってさえくれれば、それでいい。

「ありがとう、紅音」

「……こちらこそ、ありがとうございます」

 わたしは爽太さんと夫婦になれたことを、誇りに思う。こうして爽太さんと会えて良かった。
 今だからこそ、爽太さんの存在のありがたみを感じる。

「爽太さん、赤ちゃん産まれたら、報告しますから。……絶対に、報告します」
 
「ああ、それは楽しみだな。 今から待受にしようかと、思ってるくらいだから」

「まだ気が早いですよ、爽太さん」

 だけどそれだけ爽太さんも、楽しみにしているということだ。
 元気な赤ちゃんを産んで、早く爽太さんを喜ばせたい。爽太さんの笑った顔が見たい。

「子供の名前、考えないとな」

「はい。そうですね」

 だけど爽太さんが笑ってくれるなら、わたしも嬉しいんだ……。幸せだと感じるの。
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