【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 自分の行動に驚いたわたしは、そのまま後ずさりしてそのまま下を向いて歩き出した。
 
「紅音っ……!待てって!」

 そして後を追いかけてきた爽太さんに腕を掴まれたわたしは、振り返る形で爽太さんとそのまま目が合った。
 その瞬間、心臓がバクバクして激しく鼓動が揺れる。ドキドキして、恥ずかしくなりそうだった。

「……そ、爽太、さん?」

「キスしたいなら、そう言えばいいだろ?」

「……え?」

 それはどういう意味なのだろうか……。って、わたし、爽太さんとキスしたいって思われてたの?
 そ、そんなつもりなかった……はずなのだけど……。いや、どうだったのか分からない……。

「紅音からキスするなんて、反則だ」

「……へ?」

「キスは俺からしてやる」

「え、爽っ……んっ」

 その言葉の後、手を握られそのまま爽太さんからキスされた。わたしはそのキスを、目を閉じて受け入れていた。

「……行くぞ、紅音」

「は、はいっ……」

 き、キスしてしまった!しかも2回も。いや、夫婦なのだから当たり前なのだけど……。
 だけどなんだか、すごく恥ずかしくて、照れた。
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