【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 これ以上好きになってしまったら、わたしはきっと爽太さんのそばから離れられなくなってしまう……。
 別れたくない、離れたくない。きっとそう縋(すが)ってしまうかもしれない……。
 もしそうなった時、わたしはまた絶望の淵に立つことになる。

 離れたくない……。ずっと一緒にいたい。
 これだけ強く望んでいても、それはムリなんだよね……。こうやって強く望めば望むほど、わたしは惨めになることをよく知っている。
 神様、わたしはどうすればいいの……?

 このままずっと一緒にいたいなんて、望んではいけない。だからこそわたしは、爽太さんのために出来ることを尽していきたい。
 子供は作らないけど、夫婦二人たくさん思い出を作りたいことは確かだから。

 もちろん、好きの気持ちだけでうまくいくとは思えないけど……。それでもわたしは、爽太さんのそばから離れたくない。
 夫婦になっている間だけ、わたしは爽太さんと夫婦でいたい。
 爽太さんと結婚しているこの時だけは、幸せを噛み締めていたい……。

「爽太さん……」

 寝ている爽太さんの頬にキスをして、わたしも眠りについた。
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