【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


「これで全部かしら?」

「そうですね」

 一通り賞味期限チェックを終えたわたしたちは、リストに沿って最終確認をした。

「結構あるわねぇ」

「ですね……。あ、わたし値引きシール持ってきますね」

 その時インカムに、レジのフォローに入ってほしいという連絡が来た。

「ごめん、小田原さん。わたしレジ行くからそっちお願いしてもいい?」

「分かりました。お願いします」

 上原さんがレジに行ってしまったため、わたしは一人値引きシールを貼りながら、値引きコーナーのワゴンにシールを貼った商品たちを入れた。

「……よし、終わった」

 ワゴンの中に商品を全て入れてふと左手に付いている腕時計を確認すると、ちょうど定時の16時になった頃だった。

「すみません。小田原定時になりましたので、お先に失礼致します」

 とインカムで定時になったことを伝える。

「はーい。お疲れ様」

「小田原さん、お疲れ様〜」

 とインカムから上原さんの佳奈美さんの声が聞こえてきた。
 わたしは「お疲れ様です」と返事をしてバックヤードへ行き、インカムを外して勤怠を押し、帰宅した。
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