【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


「オホン……。イチャついてる所悪いが、ちょっと確認させてもらってもいいか?」

「え……!? か、加古川先生……!」

 加古川先生に、こんな場面をバッチリ見られていたようだ。
 恥ずかしい……!とさえ思ってしまうけど、それでも助かったということがより嬉しい。

「すみません……。どうぞ……」

「済まない。小田原」

「……いや、こちらこそ」

「まぁ、仲良しなのはいいことだけどな」

 なんて加古川先生の言葉に、照れたような表情をしていた爽太さん。
 爽太さんも、恥ずかしいのかな……?

「紅音さん、ちょっと瞳孔見ますね。……頭の痛みとかはありますか?」

「……あ、いえ。特には……」

 わたしは頭の手術をしたようで、痛みがないかを聞かれたけど、特にはなさそうで大丈夫そうだった。

「そうですか。なら良かった」

「……あの、助けてくださってありがとうございました」

 わたしは改めて、加古川先生にお礼をした。
 すると加古川先生は「いえ。それが俺の仕事ですから」と笑顔で答えていた。

「……わたし、あの時本当に、死ぬかと思いました」
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