【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 爽太さんに真っ直ぐ見つめられながら、わたしは言葉を続けた。

「爽太さん、わたしはずっと、これからもあなたのことを想ってる。……例え後1年しか一緒にいられなくても……。わたしは離婚してもあなたのことをずっと忘れないし、ずっと忘れたくないです。あなたのこと、愛してるから」

 そう言ってわたしは、爽太さんに後ろから抱きついた。

「……紅音」

「こんな風に思ってしまうのは、あなたにとっては迷惑かもしれないけど……。だけどわたしは、あなたのことを愛しているんです。……だからこれからもずっと、好きでいさせてほしいです。 離婚した後もずっと、好きなままでいたい」

 こんなことを言ってしまえば、契約結婚なのだから困るということは分かっていた。
 だけどその気持ちを抑えることは、わたしには出来なくて……。
 こんなにも一緒にいたい人なのに、それも後1年だけなんて、悔しすぎる……。辛いし、苦しいの。

「……紅音」

「わたしもう、爽太さん以外の人を好きなんてなれないです……。ずっと一緒にいたい、爽太さんと」

 そう言ってわたしは、その背中にギュッとしがみついた。
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