【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


「ダメッ……爽太さんっ」

「こんなに感じて……可愛いのな?」

 意地悪気にそう言っては、太腿や首元に唇を這わせてキスをしてくる。
 厭らしく漏れるその声に、気を失いそうになってしまう。

「っ……んっ」

 何度も啄むようにキスをされれば、自分の敏感な所に触れられて声を漏らしてしまう。

「ダメッ……爽太さっ……やっ」

 繰り返される愛撫にわたしはもう、何もかも考えられなくなっていた。
 そしてそのまま、爽太さんはわたしの右手をギュッと握りしめ、甘く優しくその理性をぶつけてくる。

「んっ……っ、あっ」

 優しく抱き締められながら抱かれると、幸せを感じる。そしてずっといつまでもこうしていたいと、そう願ってしまう。

「紅音……はぁっ」

 爽太さんのその動きに合わせるだけで、快感が襲ってくる。それはもう、止められない快感だった。何度もキスをして、何度も抱き合って、その日はもう何度幸せと感じたことだろう。
 わたしにはもう、爽太さんのそばでしか生きられる術がない。
 そしてこうしてそばにいれる喜びを噛み締めながら、わたしは【爽太さん】と何度も名前を呼んだ。
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