なぜ婚約者なのか説明書の提出を求む
ホテルで

部屋には

 謝恩会も終わって、名残惜しい気持ちを残しながらも必ず同窓会をしようねと約束して、皆んなと別れて宿泊先のホテルに向かう。

 合格祝いに両親と一緒に食事をしたホテルに今夜は宿泊する。

 フロントに行って
「予約してある和泉茉帆ですけど」

「はい。承っております。ご卒業おめでとうございます」
私より少し年上かなと思われる素敵な女性のホテルウーマンがお祝いを言ってくださった。

「ありがとうございます」
ちょっと恥ずかしいけど流石一流ホテルは違うなと思った。

「お荷物もお部屋に運んでございますので」

「ありがとうございます。お手数お掛けしました」

「いいえ。とんでもないことでございます。私共の仕事でございますから。本日のお部屋は二十階の2001になっております。こちらがカードキーでございます」

「はい。ありがとう」

「右側のエレベーターでお上がりくださいませ」
美しい笑顔で案内してくださった。

「ありがとうございます」

 エレベーターの上りを押してドアが直ぐに開いた。私一人だけが乗り込んで二十階を押す。

 えっ? 最上階なの?
 まさか最上階に部屋を取ってくれてるなんて思わなかったから少し驚いた。

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