なぜ婚約者なのか説明書の提出を求む
デート

二人でお出かけ

 土曜日……。
 朝から雨が降っていて……。

「雨ですね」

「そうだな。仕方ない。予定は変更だな」

「何処に行くつもりだったんですか?」

「高原の方に行こうと思ってたけど。また次の楽しみに取っておこう」

「じゃあ、きょうはどうします?」

「買い物に行こうか?」

「良いですけど」

 着替えて玲於奈さんの車で出掛けた。



 着いた所は高級ブランド店ばかり入ったファッションビル。 

 行きつけのお店なんだろう。迷わず歩いて行く。でも私の歩調に合わせてくれているのが分かって優しい人なんだなと思う。

 入ったお店はメンズの有名ブランド店。

「こんにちは」

「今枝様。いらっしゃいませ。ご用意出来ております」

「ちょっと待ってて」

「あ。はい」

 本当に直ぐに出て来た。

「じゃあ、届けてください」

「分かりました。いつもありがとうございます」

「宜しく」

「もう終わったんですか?」

「ああ。次はこっちだ」

「はい」



 歩いて着いたのは宝石貴金属に詳しい人なら知っているだろう有名宝飾店。

「こんにちは」

「今枝様。いらっしゃいませ」

「茉帆。おいで」

「あ、はい」

「彼女に似合う物を何点か見せてください」

「えっ?」
何点かって?

「こちらのお嬢様でしたら、どんな物でもお似合いになられますよ」

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