ご主人様だけに一途
好きな子のお家で




――次の日


僕は今、大好きな子の家の前にいる。



めっちゃドキドキする。

心臓、口から飛び出そう。



飛び出てもいいけど、
ヒョロッと一瞬で戻ってきてね。


臓器が飛び出した
グロテスクな僕の(しかばね)なんて

大好きな子に、見せたくないから。




爪の下に心臓があるんじゃ?って思う程
ドクドクした指で

インターフォンを押してみた。




バクバク。

ゾワゾワ。


待ち時間の
心の爆動が半端ない。





――僕の服、本当に薄ピンクの
  だぼだぼパーカーで良かった?


――手土産、マカロンで良かった?



――このドアが開いたら、大好きな子がいて……

  大好きな子の、お父さんもいて……




ヤバイ。ヤバイ。

緊張が限界。



目が回りそう。 倒れそう。

魂、死神に持っていかれそう。



< 25 / 96 >

この作品をシェア

pagetop