地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 マズイ人に変な借り作っちゃったなーと思っていると、銀星さんはだるそうにだけれどしっかりあたしと目を合わせた。

「ま、服の代金分はいずれもらうとするさ。じゃあな」


 無理やりキスしたんだから十分でしょう!?


 と言いたいところだけれど、銀星さんが納得してないなら結局のところ何かを要求されてしまうよね。

 仕方ない。
 なんか悔しいけど、後で店の方にちゃんとお金支払っておかなきゃ。

 遥華にまた会えると思えば気も楽だしね。


 そう自分を納得させて銀星さん達が去って行くのを睨みつけるように見送った。


 そして人込みの中に彼らの姿が消えていくのを見はからって冷静な声がその場に落ちる。


「……さて。俺達が探し求めていた人物がここにいるわけだが……とりあえず君のことを知りたい《かぐや姫》?」

 眼鏡の奥の瞳を光らせて、如月さんが告げた。


「っ!」

 そうだった。
 この人達からも逃げなきゃないんだ。


 大丈夫。

 今度は拘束されてないし、逃げ道もある。


 あたしはそれを確認すると、みんなに向かってペコリと頭を下げた。

「助けてくれてありがとうございます。それじゃあ!」

 そして止められる前に一目散に逃げだした。
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