地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「そうか……」

 と呟いて、一度目を閉じる奏。
 その目が開けられると同時に頬や口元がニッコリとした笑顔を作った。

「その高峰 銀星とかいうクソ野郎のこと詳しく聞かせてもらおうかな?」


 ビュオオォォォ……と、ブリザードが吹いた気がした。


 寒い。
 怖い。
 目が笑ってない。


 昔からあたしを泣かすやつは許さないと言ってくれている妹思いの兄だ。

 大きくなってあたしも泣かされることが無くなってきたから、このシスコンっぷりを出すことは少なくなってきたんだけれど……。


「か、かなちゃん?」

 戸惑う明人くんの呼びかけに、奏はそのブリザードスマイルを向けて凄む。

「ほら、早く教えろよ。その男の特徴とか弱点とか弱みとか知ってること全部」

 笑顔で、淡々と、でもまくし立てるように早口で。


「か、奏? とりあえず落ち着こう? 三人ともドン引きしてるから……」

 とりあえず落ち着いて話すためにそのブリザードスマイルだけでも消してもらわないと、と声を掛ける。

 でもそう簡単に落ち着けるわけもないみたいで。


「は? 俺のいないときに泣かされといてそれ言うの? 高校生になって『もう泣かされたりしないから大丈夫』って言ったのはどの口だよ」

「いや、えっと……」

 笑顔は消えたけれど、代わりにあたしを責める言葉が増えてしまった。
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