鶴の音返し
登校中、前方に彼の姿を見たとき

教室の窓から体育に興じる彼を見たとき

学食で友達と笑っている彼を見たとき

言わないと、言わないと、言わないと、

分かっているけど、なかなか踏み出せない。

以前の臆病な自分が戻ってきたのか、
今日こそ、
明日こそ、
、、、また今度。

そんな足踏みで時間はどんどん過ぎていく。

この間にも彼の命は刻一刻と削られている。
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