囚われて、逃げられない
「ブハッ━━!!!
んん??
キスじゃなくて…?」
思わず、ワインを吹き出す野々花。

「うん、野々が欲しい。
今すぐに………」
泰氏の真剣な眼差しと、真っ直ぐな想い。
「うん…いいよ…」

寝室に向かう、二人。
ドアを開けると、大きなベットがひとつ、部屋の中の半分を占めていた。
「泰氏くん」
「どうぞ、中入って?」
「いや、あの…」
「抱いていいんでしょ?」
「シャワー、浴びたいな…
汗かいちゃってるし…」
「うーん。
じゃあ…一緒に…ね?」

「えー!?は、恥ずかし……よ…」
俯いて、顔や耳まで赤くする野々花。
「じゃあ…このままだよ?
どうする?」
「うー、どうしよう…」
「早く決めないと、ベットに押し倒すよ?」
「え!?
あ、じゃあ…一緒に、入りますです!」

「フフ…また日本語、変になった(笑)
じゃあ…入りましょう!です!」
「もう…////!」

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「脱がそうか?手…震えてるよ?」
早々に裸になった泰氏と、ワンピースさえも脱げない野々花。

「いえ!脱ぎます!」
野々花は目をギュッと瞑り、サッとワンピースを脱いだ。スルッと野々花の肌を滑って、下に落ちたワンピース。
「下着は?」
「あ…泰氏くん、先に入ってて……?」
「やだ」
「え?でも泰氏くん、裸だから寒いでしょ?」
「全然。今は夏だし」
「そう…」
「野々」
「はい!」
「早くしないと、俺の手が出るよ?」
「へ?私、ぶたれるの?」
「は?なんでそうなるの?
野々を殴ったりなんかしないよ」
「だって、手が出るよって……」

「それは!早くしないと俺が脱がすよってこと!
うーん、てか、もう…俺が脱がすね!
焦れったくて、我慢の限界だし…!!」
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