初恋
出逢いは突然に
学業成績・部活動成績共に日本トップクラス
全国模試の上位は常に常陸学園高等学校の生徒たち
運動部・文化部共に全国常連校
それが僕の入学した常陸学園高等学校である

いつもより早く脈打ち高鳴る鼓動 そして流れる汗に 乾く喉
震える声に 冷える指先
全校生徒を目の前に 固まりかけたこの口を
動かしてくれたあの人と今同じクラスで過ごしている

僕は遥川優澄15歳。この春、というか1週間前に入学したばかりだ。入学して日が浅いため、みんなが皆に興味深々の様子だである。僕もその1人。3歳で保育園に入園してから12年間、同じメンバーで過ごしてきた。だから1クラス40人の顔と名前を覚えられるかすら不安。そして友達できるかなぁ…。
これは1週間前の入学式の日のお話。
「優澄くんだよね?さっき新入生代表で挨拶してた。」
あ、以外に大丈夫そうだ。
「う、うん。そうだけど…。」
めっちゃ可愛い子きた!でもなんで僕に?
「あ、あのねっ!聞きたいことがあって!」
「なに?」
「一条叶って覚えてる?保育園と小学校一緒だった」
一条叶…叶…どこかで…あっ!
「もしかして君ってあの一条叶!?小三で転校しちゃった叶ちゃんなの?」
「あぁ、よかった。覚えていてくれたんだね、優澄」
忘れるわけがない だって叶ちゃんは僕の初恋の人なんだから
「うん、忘れるわけないよ叶ちゃん」
小さい頃も可愛かったけど少し見ない間に更に可愛くなってる
「どうしたの?顔赤いよ?もしかしてカゼ?」
「いっいやこれは…叶ちゃんが可愛いなって…あれ?あ!言っちゃった…」
「…え?嘘でしょ?優澄」
そういうと叶ちゃんは膝から勢いよく崩れ落ち、床に座り泣きだした。
「急にどうしたの?」
「だって…だって嬉しくて。覚えていてくれた他に可愛いって…言って貰えるなんて思ってなかったから…」
「そうだったの。でも女の子がずっと床に座ってちゃダメだよ。ほら立てる?」
伸ばした手を叶ちゃんが握り返す。
あ、ダメみたいだ。叶ちゃんといると僕の体はどんどん熱が上がるみたいだ。
「僕だって、叶ちゃんに覚えてもらってたの凄く嬉しかったんだよ!また、一緒に遊ぼうね♪」
「そうだね!」
そう言って笑う君の笑顔は優しくあたたかい光で僕を包んだ。

こうして僕遥川優澄は保育園・小学校の同級生である一条叶と再会したのだった。
この再会をキッカケに僕は叶ちゃんと同じ時間を過ごすようになっていった。

これは僕たち2人の終わりと始まりの物語。
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