七夕の夜、二人で見上げた星空
1.私は選んだ


 中学を卒業して、高校生になった私。


 同級生との会話やコミュニケーションが苦手で、いつも下を向いていた。

 小学校からの顔見知りがいた中学校生活とはちがい、クラスメイトは知らない人ばかり。

 見た目が地味な私に声をかけてくれる人はいないので、しだいに孤立していく。


 窓際の席に座る私は、頬杖をついて外を眺める日々が続いていた。

 お昼休みも一人で食事をして、放課後まで誰とも会話をしないまま帰宅する。


 気が合う人たちで女子グループが作られていたけど、その輪の中に私は入ることができない。

 外見がオシャレで目立つ女の子たち数人で、スクールカーストもできつつあった。

 地味で無口な私は、その子たちから目をつけられてしまう。


 五月の連休が終わると、学校に行くのが憂鬱になってきた。

 友人はいないし、休んでも心配してくれるクラスメイトもいないだろう。


 重い腰を上げて登校しても、女子グループからだって心配してもらえない。

 それどろか、スクールカーストの子たちから嫌がらせを受けてしまう。


 ある朝、学校に登校すると、私の上靴がなくなってることに気づく。

 しかたなく職員玄関で来客用のスリッパを借りて、朝から放課後まですごした。

 教室で私のスリッパ姿を見たカーストの子たちが、ゲラゲラと笑ってる。

 助けてくれるクラスメイトもいなければ、気遣って優しく声をかけてくれる女の子もいない。



 その日を境に、私は学校へ行けなくなった……



 ネガティブ女子の私は不登校が続く。

 気温が上昇してきて、学力テストに注意を向ける季節だけど、私は決断する。



 学校の制服が、夏服移行期間になろうとしてた時




 高校を退学する道を、私は選んだ……




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