人生の相棒~運命の人は突然に現れる~
孝太をテレビで見ない日はなかった。

昼の情報番組で『ブルースパイラル』の活動拠点地である『亀西漫才劇場』に2ヶ月ぶりに凱旋して漫才を披露したと言うニュースがテレビで流れた時、洗濯物をたたんでいた私の視線はテレビ画面に移った。

「まだ夢を見てるんじゃないかと思います」

記者からのインタビューに、岸里さんは答えた。

「正直なことを言うと、急がし過ぎて眠れてない。

このまま寝て起きたら、実は全部夢でした…って言うオチだったらどうしよう」

そう答えた孝太に、記者たちはドッと笑った。

「――夢か…」

私はそう呟くと、お腹に視線を落とした。

「大丈夫…」

お腹の子に…と言うよりも、自分に言い聞かせたと言った方がいいのかも知れない。

気を落ち着かせるために、私は深呼吸をした。
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