溺愛甘雨~魅惑の御曹司は清純な令嬢を愛し満たす~

深く突かれ、悲鳴とともに仰け反らせた背中に彼の腕が巻き付く。
痛みは、すぐに甘い快感に変わっていく。

彼が与える刺激すべてが、知らなかった感覚を私にすり込んでいく。
知らなかった…知らなかった。
男の人と繋がり合うことが、こんなに心地いいことだったなんて…。
やはり私は、彼の言う通り生来淫らな性質なのだろうか…。

…それとも、彼だから…?

そんな戸惑いをはらんだ逡巡は一瞬しか許されなかった。
彼の動きが激しくなり、波に揉みくちゃにされるように意識はただ、初めての強烈な快感に溺れるだけになる。

「君は、俺とは今夜初めて会ったと思っているだろうけど―――」

どくどくと脈打つ男らしい首筋から響く低い声が、喘ぎ乱れる私に吐露する。

「俺は君をもうずっと前から愛してしまっていた。だから離さない。けして君を離さない」

意識が千々に裂かれるような快楽の中でも、彼のその宣告は私の脳裏に焼き付いていた。

この一夜を、彼と過ごした濃密なこの時間を忘れ去ることなど到底でき得るはずはなかった。





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