溺愛甘雨～魅惑の御曹司は清純な令嬢を愛し満たす～

「ああっ、忙しいところごめんっ芽衣子さん、これ、どうやって活けたらいいと思う？」
「私達じゃ難しくて」

補充作業に忙しい私を呼び止めて苦笑いを浮かべている店長とバイトリーダーが見ていたのは、素敵な大ぶりの一輪花だ。
花瓶にどうしても合わない気がして困っているらしい。

「あ、それは…そうですね、まず花器を変えて…」

花器を持ってきて活けなおすと、二人がほーと感心してくれる。

「すっごくよくなった、さすが！」
「本当にセンスがいいわよねぇ」
「センスというより、芽衣子さんは華道の知識が豊富なんですよぉ。だって小さいころから嗜んでいたそうですから」
「へぇ、今どき小さいころから華道を習っているなんて珍しいわよねぇ。芽衣子さんってやっぱり、本当はすごく育ちのいいお嬢さんだったりして」
「それ絶対ありえそう！　だって普段から上品だし奇麗だし」
「いえ、そんな…」