追体験アプリ
死亡確認
3人グループの誰一人として教室にいない時間はとても平和なものだった。


みんなどこか穏やかな表情をしているし、華やかな笑い声が多く聞こえてきた。


あの3人は教室にいるだけで周りに重力をかけていたのだ。


私と多美子も他のクラスメートたちに混ざって大いに楽しんだ。


隣の旭とも普通に会話をしたし、このまま復縁できるかも、なんて淡い期待を抱いている。


問題はアプリだった。


一週間の使用がないと勝手に起動してしまうので、それはどうにかしなきゃいけない。


少しもったいないけど消してしまおうか。


帰宅後、自室でスマホを取り出したとき、ちょうどクラスのメッセージグループから連絡が入った。


珍しく先生本人からのメッセージだ。


なにか重要なことのようで私はすぐにメッセージを確認した。


《1年A組緊急連絡


大友真純さん、赤沼由希さん、角田夕里子さんの3人が今日亡くなりました。


大友真純さんと角田夕里子さんの葬儀は明日の午前11時から、○○会館で。


赤沼由希さんの葬儀は家族葬で執り行われます》


それは思ってもいない連絡だった。


すぐには信じられなくて何度も何度もメッセージを読み直した。


それでも文面は少しも変化しないし、それは淡々と3人が死んだということを伝えているばかりだった。


呆然としていると多美子からの着信があった。


「もしもし?」


『真純、先生からのメッセージ見た!?』


電話に出た途端多美子の焦った声が聞こえてきた。
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