粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)

上条ミイヤのごみ捨て問題・2-4ページ

<上条ミイヤのマンション・10月下旬>

上条ミイヤは憂鬱だった。
とうとう、このマンションの
管理組合の役員の当番が回ってきたからだ。

面倒な仕事である。

特にゴミ当番と回覧、掲示板管理やこども祭りの企画・運営など
頭が痛い。

せっかく素敵なマンションに越してきたのに・・

セキュリティ対策がしっかりしている。
ベランダは南向きで陽がよく入る

そして、敷地内に緑が多い事。
木々が多く植えられて、
四季それぞれに美しい姿を見せてくれる。

だけど本当は、庭付きの一戸建てに住みたい。
ターシャ・テューダーのお庭には本当に憧れる。

多くの植物はミイヤにとって
<癒し>なのだ。

猫も飼いたい。
灰色がかったブルーでずんぐりしていて目が金色の猫。

シャルトリューという種類。
あと、足の短いマンチカンも
かわいい。

ミイヤは猫の写真を冷蔵庫にたくさん貼っている。

その対極にあるストレスは、
ごみ当番。
住人のゴミ捨ての管理をしなくてはならない。

本来ならば管理会社が管理人を派遣するのだが、
管理会社が倒産してしまい、
管理人がいない状態が続いている。

仕方ないので次の管理会社が決まるまでは、
住人が輪番で最低限の運営を
することに決まったのだ。

役員とは名ばかりのマンションの雑用係だ。

エントランスや駐輪場の清掃も、
汚れていたら掃くぐらいはしなければならない。

特に今の季節・・
紅葉から葉が落ちる頃は掃除が大変だ。

ミイヤにはゴミ捨ての天敵がいる。
たぶん・・確証はないが・・・

ゴミを分別しない、決められた曜日を無視して出している。

同じ階の<加賀城>という住人。

そもそも発端は、
郵便物の誤配送だった。

「上条」と「加賀城」は
音が似ている。

加賀城のDMの郵便物が、
ミイヤの所に混じっている時があった。

<加賀城 剛士> 
405号室の住人。
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