粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)

粗大ごみとカラオケ大会・42-48ページ

<ミイヤの困りごと・数週間後>

子猫が来てから、
ミイヤの生活には少しの変化があった。

加賀城が毎回、日曜日に
キャットフードと猫のトイレ砂を届けてくれる。

いつも玄関先のやり取りで、
猫の安否確認だけすると
加賀城はすぐに出て行く。

時には
クッキーとかチョコレートなど
<差し入れ>と称して、
ミイヤに渡してくれた。

日曜日

ピンポーン
「はい」

モニターを確認すると、加賀城が片手をあげていた。

「じゃあ、これがいつものやつ・・猫砂とキャットフード。
お願いします」

大きな紙袋を二つ玄関先に置くと、すぐに戻ろうとしたが

ミイヤが少し申し訳なさそうに、
加賀城を引き留めた。

「あの・・加賀城さん・・
ちょっと相談にのっていただきたくて・・
お時間があれば・・」
「え・・何か・・?」

加賀城はもう一度玄関に戻った。

ミイヤは急いでリビングにあった何枚かの紙を持ってきて、加賀城に見せた。

それは、
この<地域の祭りのお知らせ>のチラシだった。

「今度の神社のお祭りなのだけど、
この地域の自治会が運営やっているんです。

それで、このマンション代表で、
私と佐藤さんが、役員で参加しているのだけれど・・・

あの、今、
カラオケ大会をやろうって話が進んでいてですね。

神社の駐車場借りて、
仮設ステージとカラオケ機材を準備しなくてはならなくて・・

その、どこでレンタルとかしたらいいか・・わからなくて」

加賀城はミイヤの顔を見た。
「うん・・それで・・・?」

「加賀城さん、
音楽関係の人だから・・
どこか、ご存じないかと・・」
ミイヤはため息をついた。

「カラオケ大会ね・・
おもしろそう・・俺も出ちゃおうかな!」
加賀城がノリノリで答えた。

「いえ・・みんな、素人さんで・・予算も限られているし」

ミイヤは慌てて答えた。

「うん!いいよ。詳しい奴呼ぶから。すぐ連絡つけるよ」

加賀城は、すぐにポケットからスマホを出した。

「あ・・大森?すぐ来てくれる?
緊急案件だから」
ミイヤは焦った。

「あの・・無理しないでください」

「すぐ、来るって、大丈夫だから」

加賀城は、余裕の満面の笑みで答えた。


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