粗大ごみを拾ってしまった(番外編その1) 大森カラスの憂鬱
<大森の記憶・その2>

天界の・・
自分が見て来た霊の中でも・・

これほど美しい霊体は見たことがない。属性は何だろうか・・・

大森がぼんやりと見ていると、
その霊体はいきなりの瞬間移動で
大森の前に立った。

「お前が俺の世話係なの?」
いや・・えええ・・俺って・・・

性自認・属性は<男>なのか・・・

その霊体は大森の戸惑う顔を見て、
おもしろがるように言った。

「まぁ、いいか・・
一応(しるし)はつけとくか」

霊体は戸惑う大森のあごに、手をかけた。
「何を・・う!」

大森が言葉をすべて言う前に、その唇は奪われていた。

舌を差し入れられ、巧みに絡めてくる濃厚な・・口づけ・・

大森は腰が抜けそうなほどの驚きと・・突き抜けるような陶酔が襲う。

この悦楽を、もっとむさぼりたい・・・・
大森がそう感じた瞬間、霊体の唇が離れてしまった。

そのまま
呆然と立ち尽くしている大森に、その霊体は言った。

「ギリギリ合格かな・・
俺が瞑王だ。ヨロシク頼むわ」

瞑王は金粉の中に体を包み込むように、姿を消した。

これが最初の出会いだった。
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