大切なあなたへ

だから、一也は三十分おきに電話をする。


こうして、志穂が完璧に起きるのは、だいたいが三回電話してから。


ようやく目が覚めた志穂は、すぐにシャワーを浴びた。


『そう言えば…
昨日、一也のお兄さんに会ったんだっけ。
超イケメンだったなぁー。
一也もそこそこにかっこいいけど、あの兄さんはハンパじゃないね』


志穂は昨日のパーティーを思い出していた。


『惚れたら苦労するか…。
一也の言った意味が分かる気がするよ。
あんなかっこいい彼氏じゃ、誰かに取られるんじゃないかって、
いっつも心配してなきゃなんないだろうし、浮気の心配もしちゃうな…』




と一也の兄さんのことは思い出すのだが、
一也と呑みに行ってからのことは全く記憶にない。

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