君の笑顔が見たくて〜僕たちの夏の恋物語〜
「ゆっ・・・ゆう・・・ぎ・・・っ・・・ぐん・・・」

私は、涙でグチャグチャなまま

ゆうきくんの名前を呼んだ。


ここに・・・ゆうきくんがいるんだ。


私の・・・大切な人。


例え、片想いでも・・・。


ゆうきくん・・・ゆうきくん・・・ゆうきくん・・・。


貴方がいてくれたらそれでいい。


心が安らいで・・・。


ダメだ・・・涙が止まらない。


うわぁぁぁ~―――!!・・・うっうっ・・・ヒック
うぁぁっ―――!!!


ふと、私の背中に彼の手が・・・優しくそっと触れた。


私をそっと引き寄せてくれ私は

ゆうきくんの胸におでこが
コツンと当たった。


「天宮さん・・・ありがと・・・」

耳元で、

静かにそうゆうと、彼は、右手で
私を強く抱きしめた。


・・・ゆうきくん・・・ゆうきくん


私も、思わず
ゆうきくんの背中に手を回して
背中の制服をギュッと握りしめた。



・・・良かった。ゆうきくん・・・良かった。
心の中でそればかり繰り返した。


私の泣く声が
静かなローカに響き渡っていた。




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