君の笑顔が見たくて〜僕たちの夏の恋物語〜
ソワソワ落ち着かなくて、早めに家を出ることにした。


20時前には公園について
まだ、誰も来てなかった。


街灯があるけど、なんか、薄暗い。


―――早く・・・凪紗さん、ゆうきくん達来ないかな?



後ろから


ザッザッザッ


ひとの歩く足音がした。


―――っ!凪紗さん?・・・ゆうきくん?


振り向くと・・・


知らない男子が1人立っていた。


「・・・あっ。バスケ部の人?」


「天宮さん?」


―――・・・やっぱり!バスケ部の人なんだ!


「はいっ!天宮です!」


1人で怖かったから、来てくれて思わず嬉しくなって、勢い良く返事をした。


ほんの瞬間・・・だったのだけど
ニヤリと、意味ありげな笑み?をその人がしたように見えた。


少し、胸がザワザワして嫌な予感がした。



「・・・あの・・・。皆遅いですね。。」

作り笑いを浮かべながら話した。


「・・・やっぱぁー。可愛いな。浴衣姿も可愛い〜ぃ。俺はタイプだよ」


私の事を、上から下まで・・・数回見たかと思うと
いきなり私に近づいてきた。


「・・・なっ・・・なんなの?」


私は後退りをした。


すると・・・


トンッと、


私の背中が誰かとぶつかった。


―――・・・誰?


振り向くと・・・また、私は知らない男子がいた。


バスケ部メンバー?


そう思って、安堵したのは、つかの間・・・


いきなり私の後ろから、お腹辺りに腕を回してきて、後ろの知らない男子の胸に
引き寄せられた。


―――・・・っ!?!何っ?


声が・・・出ない・・・。


すぐ口をハンカチで押さえられた。


―――怖い!誰か・・・!誰か!


何が起きているのかわからないままだけど・・・。危険が押し寄せている・・・
それくらいは、わかった。


―――・・・ゆうきくん!!ゆうきくん!!


私は、ゆうきくんの名前を必死に
心の中で呼んだ!


「・・・暴れたり、しなかったら。
乱暴な事はしないから。
優しいくしてあげれるからさ。
静かに、ゆうこと聞いてよ?
わかった?」


目の前にいる男子が
私の耳元で静かに話した。


ゆうきくんとは違い・・・
嫌な心になった。気持ちが悪い・・・。


―――・・・私は・・・何をされちゃうの?
ドラマで見たことある。
私は・・・何をされちゃうの?


「可愛いなぁ。涙いっぱい溜めちゃって〜。
怖がらなくて大丈夫だよ。
俺は君の事は、ずっと見ていて
気になっててさ」


私は涙がスーツと頬をつたいながら流れ落ちた。
その男子は、それを見て人差し指で
私の涙を拭いた。


―――ヤダっ!触らないでっ


叫びたいけど、怖さで声にならない。


身体が小刻みに震えてしまう。


「震えてるぜ笑」


後ろの男子は、私を抱え込むように
いるから、震えも伝わっているようだ。

また、

可愛いなぁ〜。


そう言いながら、前にいる男子が近づいてきて、後ろの男子は私を解放したけど
私が動けばすぐ、触れる位置にいる。


前にいる男子が
私の背中に手を回して私の顔が彼の胸に当たる位に近づいて。
私を抱きしめた。


―――・・・嫌だっ・・・!辞めて・・・っ!


怖さで、胸がいっぱいになり、
涙が止まらなくなった。













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