which?



私は恥ずかしさから、布団をもっと深く被り直した。



…最低だ…


私は公共の場で、何て失態をしてしまったんだろう…



「…気にするなって。『あはは』って笑ってただけだから。」



―…充分だ!!


人前で寝ながら笑うなんて有り得ないよ…


このまま窒息死して、クラスのみんなにお詫びするしかないのか…



「結莉、出て来い?」



弘樹の優しい声。


その声に、思わず飛び出してしまいたくなる。



……でも。


出ちゃ駄目だ。



弘樹にこれ以上、迷惑はかけられないもん。



私は布団をギュッっと、力強く握った。



……苦しい。


苦しい、苦しい。



今にも…弘樹が好きな気持ちが零れそうで。


弘樹が好きすぎて、逆に苦しいよ…




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