転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
 スーリアは服の外に出ている首だけが日焼けするのが嫌で、今日は半分髪を下ろしていた。その髪をアルフォークがそっと触れる。感覚の無いはずの髪の毛から、熱が広がるのを感じた。
 男の人にアクセサリーを付けて貰うことなど生まれて初めてだし、ましてや好きな人なのだからドキドキは治まらない。

「出来た。こっち向いて」

 スーリアはおずおずと後ろを向き、アルフォークを見上げた。こちらを見下ろすアルフォークが表情を綻ばせる。

「とてもよく似合っている。綺麗だ」
「ありがとうございます」

 スーリアはどぎまぎしながら答えた。
 アルフォークはきっと魔法石が綺麗だと言ったのだ。頬に熱が集まるのを感じ、スーリアはそう自分に言い聞かせた。その時、スーリアは暑かったはずの空気がぐんと冷えたのを感じた。

「どう? 涼しい??」

 アルフォークがこちらをじっと見ている。燦々と太陽が照りつけるのに、スーリアのまわりはクーラーが効いたかのように涼しい。スーリアは目をぱちくりとして、アルフォークを見上げた。
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