転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

「今日のもとっても美味しそうね」
「まあな。今日のあれは俺が作ったんだぜ?」

 リジェルは女将さんが並べたお芋のパンを指さした。カットした甘いお芋がふわふわのパンに混ぜ込まれて焼き上げられている。

「まあ、そうなの? 凄いわ、リジュ!」

 スーリアはパンを見て感嘆の声を上げた。スーリアは倉田恵時代も含めてあまり料理をしない。こういうものを作れる人が純粋に凄いと思った。家でも料理は母のマリアと姉のメリノの役目で、スーリアはもっぱら皿洗いだ。スーリアに褒められて、リジェルは得意げに口の端を持ち上げた。

「そうだろ?その芋、リアのところのだぞ。間違いなくうまいな」
「うちの? ありがとう、使ってくれているのね! 今日のお昼に頂こうかしら。沢山食べられそうだわ」

 パンからはお芋の黄色い具が顔を覗かせている。見ているだけてよだれが出そうな出来具合だ。

「リア、頬が緩みきってる。おまえ本当に食いしん坊だな。帰りに持って帰れるように幾つか用意してやるよ」
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