マエダくんは青春したくてしょうがない！？

昔、俺は旅行先で一人の女の子と出会った。
当時、五歳だった俺はあの時女の子と何を話したのか、全く覚えていない。ただ、今でもはっきりおぼえているのはその女の子がめちゃくちゃ可愛くて、ある約束をしたということだけ。
ある約束とは…

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「涼！、、、、」
真っ暗な視界の向こうで誰かが俺を呼んでいる。
「涼！起きろ～」
呼ばれるがままに閉じる重い瞼に抵抗しながら目を開けるとそこには、悠馬が座っていた。

(アレ、ここはどこだ…)寝ぼけながらそう呟いた。

「お前寝すぎ。もう昼休みだぞ。チョップ！」

「イッテ！何すんだよ…」

「ハハッ。これで目が覚めたろ？とりあえず、昼飯！学食食いに行こうぜ。」

「んー。」

こいつは、小川悠馬。中学からの友達で、今では唯一の親友。学力は普通だが、イケメンでスポーツ優秀で女子からモテまくってる。部活はサッカー部らしい。正直チートだと俺は思っている。それに比べて俺は、持ってるスキルが真反対だ。
勉強は同じぐらいだが、顔は中の下(自称)、運動音痴、声をかけても逃げられる。もう慣れたが、本音を言えばとてもショックだ…

「なにぼーっとしてんだよ。
おーい、息してっか～。」

「あっ、ごめんごめん。それで、話なんだっけ」つい、自分の世界観に入ってしまった…

「涼ったら、まだ寝ぼけてんじゃねぇの？今の顔なんとも言えないぐらい面白い顔してたぜ。」

「うっ、、ほっとけ！」

「わりぃ、冗談だって。」

「はいはい…」
顔をネタにされた涼は恥ずかしさのあまり、少し顔を赤くさせながらすねるように、飯を食った。

(たく、悠馬のやつ馬鹿にしやがって。)

すっかり食べ終わり教室に戻る途中、廊下の奥から一人の女子生徒が二人の方へ駆け寄ってきた。早川琴音だった。

「やっほー。お二人さん！」