青い夏の、わすれもの。
6人で合流出来たのはそれから1時間後のことだった。

そこからは6人でもう1度館内を見て回った。

深月さんと風くんの説明はすごく分かりやすくて興味深いものだった。

ダイオウグソクムシはちょっと気持ち悪かったけど、それを可愛いと言えてしまう深月さんが1番可愛いと思った。

男子陣は併設されている釣り堀で、誰が1番多くブラックバスを釣り上げられるか対決をしていた。

結局定位置でずっと粘っていたさつまくんが1番多く釣り上げ、魚博士の風くんがひどく肩を落としていた。

水族館の見学が終わった後は海が見える近くのファミレスで男女に分かれて食事をした。

それから、童心に返り、皆で浜辺で追いかけっこをした。

運動音痴のわたしと深月さんは悉く鬼に捕まってしまった。

鍛えてる男子陣は女子たちがへばっても元気が有り余っていた。

日が暮れるまで遊びほうけた。

わたしはすっかり受験生だということを忘れていた。

でも、なんだかんだで楽しく、充実していた今日をわたしは一生忘れないだろう。

わたしたち6人が咲かせた"真夏の六花"はやがて夜空に打ち上げられることになる。

青い夏は、まだ終わらない。
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