秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
須永さんの言う通り私たちは約一か月弱接触を控えることになった。
それに来年の結婚するときまで写真等を撮られないようにするには、今まで通りの付き合いはできないだろう。
どこへ行くにも人の視線を気にしなければならない。


「はぁ、仕事…いくかぁ」

出勤時間が近づき、私はネイビーのスカートに白いブラウスを着て、鏡の前で髪を結ぶ。出勤前に拓海に連絡をした。

”仕事、行ってくるね!拓海も無理しないで頑張って”

確か今週はオフの日はないと言っていた。
携帯のディスプレイを見ながらなんだか遠距離恋愛をしている気分になる。

会いたい、ここまでそう思ったことは一度もなかった。
それは普段から一緒にいるから、傍にいるから…だからそれが当たり前になっていたのだろう。こうやって会えない状況になってようやく相手の存在の大きさを知る。

返事はなかったが、彼の仕事は時間帯も私たちとは違うから気にしてはいない。




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