ストロベリー・ゲーム


いや、見つかったらというより、気づかれたら、か。
もう二度と盗みはしないでおこうと思った。罪悪感をずっと抱えていた。

苺の事件の話をされるたびにバレるんじゃないかと怖かったんだ。

だからどうしても逃げたかった。
たとえ真広と会えなくなっても、私は自分さえ守れればいいと思っていたから。
真広のこと、私はあの時、あまり好きではなかったのかな?


なににしろ、なにも言わないで逃げるなんて、なんて自分勝手なんだろうね、私は。




「真広お......!」


藍子が真広の肩を揺すって悲鳴をあげるように、その名前を呼ぶ。
私は昨日のことを思い出していた。もしかしてまた体調が悪くなってしまったんだろうか?
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