闇に咲く華
第2章 半信半疑の華




ん…。

「ここは…?」

私、昨日…。

「目が覚めたか。」

私が目覚めたと同時に、甘いホットコーヒーを翔ちゃんが持ってきていた。

「しょ…翔ちゃん!…!?」

勢いよく起き上がったため、頭に痛みを感じた。
痛い…。

「昨日あんだけ暴れたんだ、体の負担がでかかったんだな。」

「暴れただなんて…。」

そっか、そういえば昨日ー…。
嫌なこと思い出したな。


「変なこと考えんなよ?」

「ー…。」

翔ちゃんにはバレバレなんだ。

私が1人でいると、またパニックを起し兼ねないと思って、私の部屋で今まで一緒にいてくれたんだろう。


「いい歳して…克服できるかな…。」

私は呟く。
その姿を見て、翔ちゃんは呆れることなく優しい笑顔を向けた。

「無理することない。そんな思い詰めなくても、俺が側にいる。」

私はその言葉に何とも言えない笑顔を向けた。

しんみりしている中、部屋の外が騒がしいことに気がつく。
その瞬間、扉がものすごい勢いで開いた。


「莉依!大丈夫?」

「ま…満里奈!?びっくりしたー!」

「満里奈さん、静かに行こうっていいましたのに…。」

「椿まで!」

「身体、大丈夫ですか?」

二人とも、心配で来てくれたのね。

大丈夫と言うかわりに二人に笑顔を向けた。

そうでないと、仮面が剥がれそう。

二人はきっと今の私の状況に気づいてる。
でもあえて気付かないふりをしているところ、優しさを感じる。

「落ち着いたら、駅前のタピオカ飲みに行こ!あとマカロン食べて、クレープ食べて、アイスも…。」

「満里奈さん、どんだけ食べたいんですか?」

満里奈の食い気に、椿はクスクス笑いながら突っ込みをいれる。

翔ちゃんも静かにでも確実に笑ってる。

「食べるときと食べないときの差が激しいよね!」

私も思わず吹き出しながら言う。

「満里奈さまは、集中すると時間もよく忘れて仕事をしますからね?」



ドアに目をやると、心配ですよと言いながら晶さんがティーセットを持って入ってきた。

「ダージリンティーとマフィンです。三人でどうぞ召し上がってください。」

爽やかスマイルを見せたと思いきや、翔ちゃんの方に向いて仕事モードの顔になる。

「若、おやじがお呼びです。私も出席するよう言われています。」

「わかった、すぐ向かう。」


翔ちゃんが出ていく瞬間、こちらを向いた。

「ゆっくりしてけ。」

そう満里奈と椿に声をかけ、晶さんと部屋を出た。


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