お姫様は恋してる？
俺の大事なお姫様　秀介
一叶に蝿がしつこく付き纏っている。

一誠からの定期報告に急いで仕事を片付け、本社に行くという名目を作った。

いままで本社から連絡があっても誰かに頼んで行かなかった俺が、先月に続けて日本へ行くと聞いて秘書は、首を傾げていた。

「滞在予定は２日もあれば、良いですか。」

「ついでにやりたい事があるから、休暇込みで５日だな。その間は課長の矢崎に任すから。」

「は、はい。」

急ぎの案件もないし、週末のパーティーは、矢崎に行かせればいいだろう。

それより蝿の処理だよな。

「殺虫剤、準備するか。」

「この部屋に虫でもいましたか。」

秘書の問いかけに考えが、言葉に出てしまっていたかと苦笑いする。

「いや、念には念を入れてな。」

やはり一叶のことになると余裕なんて、全くなくなる。

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