お姫様は恋してる?
「永野さんのお姉さんは、聖蘭の?」

「中学受験して聖蘭に入って、そのまま大学まで行っています。」

思い切ってお姉さんに卒アルを持って来てもらい、確認をする事にした。

「お礼は、食事で…永野さんも行きますか。」

「いいですか?」

「それはもちろん。」

仕事が、終わって午後7時。

「探し人いましたか?」

永野さんのお姉さんは、料理が出される前に卒業アルバムを貸してくれたので、パラパラとクラス毎のページに並ぶ個人写真を見ていった。

俺は3年A組に目的の男が、いるのを見つけた。

ただ…

苗字が違う…

笠松一誠?

香子は鈴木って言ってたのに。

「あの…この笠松って。」

「あぁ、一誠(いっせい)君ね。本当はかずまって読むんだけど、同じクラスに別の和馬って…この人がいたから、みんな一誠君って呼んでたのよ…彼は笠松グループの御曹司よ。あれ?探し人って一誠君?」

「はい…ありがとうございます。おかげで色々と準備が出来そうです。」

「?まぁ、役に立てたなら良かったです。」

「とにかくコースで頼んでありますので、味わってください。」

「「いただきます。」」

永野姉妹は、フルコースに満足し、俺は香子が好きな鈴木一誠(すずきいっせい)なる男が笠松一誠(かさまつかずま)と言う情報に大満足で別れた。

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