お姫様は恋してる?
これは家族愛じゃなく恋愛だ 秀介
「ねぇ、似合う?」

中学の入学式が終わった後、制服を着た一叶が社長のところに顔を出してから俺の部屋にやって来た。

別に小学生の時と変わらないと思っていたのに、セーラー服の一叶が妙に眩しくて一瞬惚けていた。

「秀介?」

「ん、あ、あぁ。よく似合ってる。」

辛うじて返事が出来たが、まるで中高生のガキのようにドキドキする自分に気付いた。

あぁ、やっぱり俺は一叶を家族としてじゃなく好きなんだとはっきり自覚した。

でも30歳も上のオッさんにいつまで一叶が好意を寄せてくれるか…

それに部長なんて肩書きがついた俺が未成年に…なんて会社的にもまずいだろ。

なんとなく蓋をした方がいい気持ちだとわかっているから、気持ちは別として立ち位置は家族のような今まで通りの存在でいようと決めていた

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