左手の薬指に、指輪をはめて。


すると、後ろから、誰かが走ってきた。


その人は、私の後ろから、目を手で覆って。


「だーれだ?」

「ひゃぁ……ぅ…」


わたしの目を覆う、手、指。


実は、誰か、なんてわかってるの。


しかも耳元で、甘く、囁くみたいに言うの。


誰なのかがわかるからこそ、わたしの心臓は鳴りっぱなし。

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